funmogのブログ

ウニモグとDIY@山小屋暮らし

電波とは

先日ある人と話していたとき素朴な質問をされた。電波って何って?
間単に説明するのは難しいけ一応エンジニアなので今度聞かれたら分かりやすく答えられるように整理してみた。

電波は目には見えないし色も臭いもないけど普段身近に使っている。スマホ、TVやラジオ、GPS、車のキーレスなどなど。電波は磁石と静電気が関係している。
だれでも知っている磁石はNとS極があって力を及ぼし合う。紙の上に砂鉄をおいて下に磁石をつけると曲線を描くがそれが磁界です。こすった下敷きで髪の毛が逆さになるいたずらはだれでもやったことがあると思うがそれは静電気が作る電界のしわざです。磁界も電界も周辺に力を及ぼします。空間で電界が変化すると空間中に電流が流れる。電流は電子の移動と思われるが電子が移動しなくても空間中は電流が流れることが電波を理解する上で重要なポイントなんです。実はこの電界と磁界は兄弟のよなもので磁界が変化すると電界が発生して電流が流れる。そして電流が流れるとまた磁界が生じ相互に作用をする。一秒間に何万回の磁界あるいは電界を変化させると空間に電波と呼ばれるエネルギーが輻射されます。

効率よく輻射するには少し仕掛けが必要で空間中で電流や磁界を変化させる必要があります。その装置がアンテナの呼ばれるものです。空間中で流れた電流で磁界が発生してその磁界で電流が発生するように連鎖的に外に向かって電波は広がっていきます。どうして電流が流れると磁界が発生するのか、伝播速度は光の速度であるということは法則で決まっているので触れません。
アンテナの最もシンプルな形は1本の銅線です。電気の伝わる速度は光と同じ秒速3x10E^8mでもし銅線を伝わる途中で電流の流れる向きが逆になるとどうなるでしょう?銅線の長さと与える周波数をうまく調整すると端から伝わって末端まできたら逆方向に向きを変えさせられまたもとに戻ると逆方向に向きが変わり銅線上の電流を激しく揺さぶります。ブランコに周期に合わせて小さい力を加えると徐々に振れが大きくなり最後に振り落とされるのに似ています。銅線上を激しく揺さぶられた結果兄弟である電界と磁界がペアになって空間に電波として輻射されるんですね。効率のよいアンテナは銅線上を端から端まで伝わる時間をと与える周期が一致したときに最も効率のよいアンテナになります。およそ1mで150MHz、50cmで300MHzです。300MHZはTVの周波数ですがTVアンテナのエレメントが50cmぐらいになっているのはこの理由によります。
光も電波と同じ電磁波と呼ばれるものです。電磁波は周波数により呼び方が変わります。細かく分類すると多いので大雑把に分類すると周波数の低いほうから電波、赤外線、可視光線、紫外線、X線、ガンマー線。そう光も放射線も電波と同じ電磁波で周波数だけが違うんです。一度空間に輻射されて電磁波は何かに吸収されて熱に変わるまで伝播し続けます。ですので何億光年離れた恒星の光も望遠鏡でみることが出来るのです。ちなみに140億年前のビッグバン直後の光は宇宙背景放射という形で電磁波として観測できます。BS放送を受信しているパラボラアンテナは天空に向けていますが宇宙背景放射という電波を雑音という形で一緒に受信しているけど誰も気にしていないですね。また全ての物質が電磁波を発射していることも以外に知られていない。物質は熱で振動して僅かながら電磁波を放出してます。温度が高くなれば比例して多くの電磁波を放出し温度により放出している周波数と上がってきます。薪ストーブの温度が上がるとストーブ表面が赤色になるのは熱で放出した電磁波の周波数が人間が光として見える周波数まで上がってきたことを意味します。さらに温度を上げると赤から黄色になるのは周波数が上昇しているんですね。目に見えない赤外線の領域でも電磁波は放出しています。ユニクロヒートテックは遠赤外線が出て暖かいという宣伝文句ですが温度が低い発熱体からでている低い周波数の赤外線を言ってるんですね。まあ遠赤外線の効果がどの程度かは分かりませんが。温度と電磁波の放射の関係はプランクの法則に従いこの法則を利用したのが空港の赤外線カメラによる体温測定器でSARS流行の時に話題になりました。体温に比例して生じる電磁波の分布を測定して温度を測定しています。人間の体から電波が出ているならそれを検知すれば人間がいるかどうか分かります。それが自動ドアのセンサーやセンサーライトに利用されたりしているんです。そう考えると人間の目は可視光の電磁波受信機であり色の違いが分かるのは電磁波の周波数まで識別できる高性能なセンサーなんですね。蛇がねずみを捕まえられるのはねずみの体温で発生している電磁波すなわち赤外線を感知できるセンサーを持っているからなんです。

身の回りのいろいろな現象も電磁波が関わっているので注意して観察すると面白いものです。